更新日:2016.04.05(火)
最近、日本庭園がひそかに気になっているSです。
少し前にテレビで目にした足立美術館。
数ある日本庭園が素晴らしすぎました。
中でも、『白砂青松庭』の質感。
ここ、絶対行ってみたいとポチって
高速を使って5時間、使わないで9時間・・・
山陰地方、三重県から遠いな・・・
泊りがけで他の場所にも行ってみます。
日本庭園と言っても、実際に目にするのは
神社仏閣、旅館やちょっとお高い食事処、
観光地になっている庭園や邸宅がほとんどで
個人邸では大分少なくなっているそうです。
今の住宅はいわゆる欧米風の形式が主流で
昔からの和風の家が減っているから
合わないと言うのもあるのでしょう。
正直、お値段もかかりますし。
えす・あーとでも「和風の外構にしたい」とご相談を受けると
いつも以上に悩みどころが多い様子。
厳密にいうと、種類や様式など、調べ始めたらびっくり!!
では、ざっくりと日本の庭を思い浮かべてみてください。
エクステリアと植栽を組み合わせて、
今時のお家をそこにどうやって近づけるか。
和モダンのお庭を目指してみましょう。
まずは、砂利を敷きましょう。
庭の舗装として一般的で一番よく使われる素材です。
砂利を敷いて、飛び飛びに石板やタイルを置けば
枯山水風でいけます。
少し大きめの石や石材の物を、どーん置くのもよし。
日本庭園では石や岩は構成要素の一つです。
軽やかさの中に重厚感をプラス。
草木と合わさって自然の風合いが色濃くなります。
建物から放した塀側や、隅に緑を持ってきましょう。
芝と高低差のある植栽を組み合わせるのも良いですが
ぽつんと1つだけ、高さのある植栽を置いても静けさが栄えるので
工夫次第で全く違う印象を作れます。
和風の庭では植栽が少し少なめくらいがちょうどよく見えます。
間に砂利敷きを挟んで、家の周りには犬走があるのが
景観と実用性を備えた一般的な配置でしょうか。
塀は化粧CBや塗り壁、フェンスは木調の
自然素材に近い物を、あるいは色の濃い物を選びましょう。
日本庭園は自然の風景を模写したものなので
人工物感が強すぎると合いません。
どうしても無理な場合は、枕木や陶器の水鉢など
中間分野にある素材の物を手前に置くと
人目を惹くので一番後ろにまで視線が行きにくくなります。
植栽でも同じような効果がありますよ。
和の小物を置くだけでも、雰囲気が出るので
植栽や配置デザインの幅が広がります。
日本庭園は、芝生のお庭のように
外でくつろいだり、使うための場所ではなく
部屋の中から景色を眺めたり、散策をする
ゆったりと楽しむための空間です。
お庭を何かしら「使いたい」と言う方は
配置するなら玄関前のアプローチや
日当たりや広さの関係であまり使わない場所に
造ると無駄が少なくていいかもしれません。
玄関前なら外からの見栄えも良く、全体に趣が出ますし
坪庭に露地(門内や庭先、家の間の細い道)は
数百年来、日本庭園の得意とする分野です。
雨に打たれて色濃くなった庭園の雰囲気は格別。
日当たりの悪い薄暗さもあの趣に深く見せてくれます。
お庭の景観が良ければ、
「普段はあまり使っていない」と言う
その前のお部屋にも新しい一面が生まれます。
カーテンを開けて、庭を眺めてさて一服。
昔は子供もいるし、広く取って使っていたけれど
今はほとんど使っていないと言うお庭も
眺めて楽しむための和のお庭にリフォームしてみてはどうでしょう。